BibTeX は LaTeX 文書内に参考文献目録を作成するためのツールです。このツールは、しばしば引用する文献を集成したデータベースがあることを前提としています。シンプルなコマンドを使って LaTeX ソース内で文献の一部を参照することができます──BibTeX は、論文内で参照した項目だけを含んだ参考文献目録を作成します。

訳注:pTeX ディストリビューションには日本語に対応した jBibTeX が含まれています。TeXShop の環境設定パネルでは、BibTeX の代わりに jBibTeX を使うよう、設定することができます。

ここに Goossens さん・ Mittelbach さん・ Samarin さんの共著『The LaTeX Companion』から取った短い例があります。より詳しいことについてはこの本でお調べください。データベースは「mybibliography.bib」という名前のファイルで、以下に示すテキストを含むものとします。このテキスト内の、登録項目「Felici:1991」 「Knuth:WEB」 「Liang:1983」は、LaTeX ソース内で論文を参照するのに使われる鍵値(参照名)です。

補足:『The LaTeX コンパニオン』アスキー書籍編集部監訳(1998年)

@article{Felici:1991,
author ={James Felici},
title ={{PostScript versus TrueType}},
journal ={Macworld},
volume =8, pages={195--201},
month =sep, year = 1991 }

@techreport{Knuth:WEB,
title ={{The \textsf{WEB} System of
Structured Documentation}},
month =sep, year = 1983,
author ={Donald E. Knuth},
address ={Stanford, CA 94305},
number ={STAN-CS-83-980},
institution={Department of Computer
Science, Stanford University} }

@phdthesis{Liang:1983,
author ={Franklin Mark Liang},
month =jun, year = 1983,
school ={Stanford University},
address ={Stanford, CA 94305},
title ={{Word Hy-phen-a-tion by
Com-pu-ter}},
note ={Also available as Stanford
University, Department of
Computer Science Report
No. STAN-CS-83-977} }

LaTeX のソースファイルは「myfile.tex」という名前で、以下のテキストを含むものとします:

\begin{document}
Consider the argument of Felici~\cite{Felici:1991} in light of these comments.
\nocite{Liang:1983} We provide further remarks later.
\bibliographystyle{plain}
\bibliography{mybibliography}
\end{document}

このソースをタイプセットすると、Felici の論文への参照が文章内に示され、参考文献目録が文章の最後に作成されます──そこには Felici と Liang の論文はありますが、Knuth の論文は見あたりません。

TeXShop では次に示す方法でこの例を利用できます。最初に「myfile.tex」という文書をいつも通りに編集してタイプセットします。参照は「 [?] 」として出力結果に示され、参考文献目録は欠落します。そのままプログラム・ボタンにある「BibTeX」を選択して実行します。次に「LaTeX」を選んで再度タイプセットします。参照はなおも「 [?] 」と表示されますが、参考文献目録は出力に付け加わります。最終的にタイプセットすると、参照も正しい値になっています。

「mybibliography.bib」というファイルは、TeXShop で開いたり編集したりできます。もし最初から TeXShop を使って「mybibliography.bib」を作成するのであれば、保存画面の「フォーマット:」と表示のあるプルダウンメニューで、tex ファイルではなく bib ファイルとして保存します。

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